平成23年度(2011年)香川県回答

平成23年度(2011年)香川県回答

 

【要望1】香川県において障害者差別禁止条例を制定してください。

【回答1】国において障がい者制度改革推進本部が設置され、抜本的な障がい者制度改革の取り組みが行われている。 この中で、 障害者の差別に関し、平成25年8月を目途に障害者差別禁止法(仮称)の国会提出が予定されており、現在、推進本部の分科会で法案の作成に向け、準備を進めているところである。

県としては、国の動きを注視し、差別禁止法が提出され、その内容が明確になる段階で、県条例の制定の必要性の有無等を検討し、適切に対応してまいりたい。

【要望2】障害者が地域で自立して生活するために、北海道などのように「あんしん賃貸支援事業実施要領」を作り、家賃債務保証については、全国組織である「高齢者住宅財団の高齢者・障害者・子育て世帯居住安定化推進事業」を活用し、賃貸住宅の拡大に努めてください。

【回答2】北海道で実施されている「あんしん賃貸支援事業」は、行政と不動産関係事業者、福祉事業者が連携して、障害者等が安心して賃貸住宅に入居・居住できるよう賃貸住宅の登録情報や居住支援に関する情報の提供を行うものであるが、障害者の入居に対する家主の不安を払拭し積極的な登録に結びつけるには、居住支援の体制が整っていることが不可欠である。

例示いただいた北海道においても、面的に居住支援体制が整っている地域に限って実施していると伺っており、まずは、こうした居住支援体制が整備されることが必要と考えている。また、高齢者住宅財団による家賃債務保証制度については、これまでも周知を行ってきたところであるが、制度の活用が家主の自主的な取組みに委ねられており、民間企業による債務保証制度が各種整備されていることもあって、全国的にも普及が進んでいないようである。しかしながら、債務保証制度は居住の安定を図る上では重要な取組みであると考えており、現在、中断している高齢者世帯に対する家賃債務保証制度の新規受付の再開を待って、改めて関係団体等への周知を行って参りたい。なお、要望に示されている「高齢者・障害者・子育て世帯居住安定化推進事業」は、国の補助制度で、居住安定に係る先進的な取組みの支援を目的としたものであり、香川県でもホームページにより、制度の周知を行っている。 

【要望3】 公共機関・施設に耳マークを設置して中途失聴者・難聴者への対応を図ってください。

【回答3】耳マークについては、聴覚障害者の方のコミュニケーションの支援に有効な手段であることから、県では、現在、県庁本館受付、障害福祉課、中央病院などに設置している。また、県内では、市町、金融機関、病院などでも設置が進んできているところである。今後とも、公共施設等への耳マークの設置については、様々な機会を捉えて、周知啓発に努めてまいりたい。

【要望4】公共施設にマイク対応の磁気誘導ループ(磁波による補聴設備)、文字表示装置(電光掲示版)を装備してください。

【回答4】県では「香川県福祉のまちづくり条例」に基づき公共的施設のバリアフリー整備の基準を定めるとともに、事業者の自主的・自発的な整備を期待する基準として「より望ましい基準」を定めている。

 磁気ループその他の聴覚障害者に配慮した装置の設置は、集会場・劇場等の客席における「より望ましい基準」として設けられているため、公共施設の整備に当たっては、条例の整備基準と併せて普及・啓発を行ってまいりたい。なお、県の施設では、香川県社会福祉総合センター、香川県聴覚障害福祉センター、かがわ総合リハビリテーションセンターに補聴装置が導入されている。 

【要望5】県主催・共催の行事などに要約筆記・手話など中途失聴者・難聴者やろうあ者が参加できる情報保障を整備してください。

【回答5】現在、サンサン祭りや県障害者スポーツ大会、じんけんフェスタなどの行事については、手話・要約筆記による情報保障を行っているところである。今後とも、県主催行事における手話や要約筆記による情報保障に努めてまいりたい。 

【要望6】障害者基本計画(プラン)策定のための平成24年度の障害者推進協議会委員に法律の通り香川障害フォーラムなど障害当事者を委員に推薦してください。

【回答6】障害者施策推進協議会の委員については、各障害者の代表や学識経験者等の中から、適任者に委嘱を行っているところである。次期(24年)の委員選出に当たっては、改正後の障害者基本法の趣旨も踏まえつつ、適切な委員を選出したい。

【要望7】障害のある子も普通学級で共に学ぶため、本人や保護者が求める「合理的配慮」と必要な支援を保障してください。

【要望8】「インクルーシブ教育」実現のための教育予算の確保及び教職員の配置を適切に行ってください。

【回答7・8】現在、障害のある子どもが通常の学級で学ぶ場合については、教員や特別支援教育支援員が食事、排泄、教室の移動補助や学習活動上のサポートを行うなど、子どもに応じた配慮が行われているところである。

 今後とも、障害のある子ども一人一人の教育的ニーズに応じ、適切な指導や必要な支援が行われるよう、市町教育委員会に働きかけていきたい。

【要望9】台風や地震などの災害時に、聴覚障害者などに配慮し、FAXによる避難の連絡ができるように市・町と連携したシステムづくりをしてください。また、福祉避難所を指定して環境整備をしてください。

【回答9】災害時における避難場所の確保や住民への連絡は、地域防災計画等に基づいて市町が主体となって行うべきものではあるが、東日本大震災を受け、県としても障害者への情報伝達に際して、障害特性に配慮するよう市町への周知啓発に努めてまいりたい。また、昨年6月19日、ろうあ協会の総会でも周知したところであるが、県で提供している、携帯電話のメール機能を利用した「避難情報配信サービス」の利用についてもご検討いただきたい。

【要望10重度心身障害者の医療費の一部負担金を助成し、現物給付にし県内での格差を是正してください。

【回答10重度心身障害者の医療費については、昭和49年度以降、各市町がその条例に基づきその一部を助成しており、県では市町に対し、市町が助成した額の2分の1の額を補助している。現物給付は、現在、高松市など、6市1町で実施されているが、支給方法については、実施主体である各市町の判断によるものである。

【要望11視覚障害者が持参しているシグナルエイドⅡで感知する信号機を田村町に設置してください。

【回答11交通安全施設の整備を要望される場合には、原則として、地元自治体(本件の場合は高松市交通政策課)へ設置要望書を提出して頂き、これに基づき警察・道路管理者・自治体等が合同で現地調査を行い設置の是非を判断する「総合現地診断」という制度がありますので、これを利用していただければと思います。

【要望12スーパーなどの障害者用駐車場に一般者が止めた場合は他の場合と同じように罰則するようにしてください。

【回答12障害者専用駐車場については、障害者に関するマークの普及啓発を行い、その利用が適正に行われるよう努めます。

平成23年度香川県回答
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